三宝・三多・三無(1990年4月 62歳)

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昔から済州島には『三宝』と『三多』と『三無』があると言われました。 三宝とは字の通り三つの宝と言うことで、その1つは『海の幸』です。 済州島は周りが海に囲まれていて、今でも釣り場として人気が高いけれど。その頃は今以上に魚が豊富で色々な種類の魚が取れ、その上に岩場が多いので、海女たちがアワビ・サザエ・ウニ・ナマコの類も採取していました。 その2つ目は『山の幸』です。 漢拏山の裾野はなだらかに海まで続き、火山灰が積もって出来た土は、甘藷・サトウキビ・トウモロコシ・麦を初め、色々な物が作れました。 樹木も繁茂して林業も盛んです。 その3は『人情が細やか』で争いがなく、皆が勤勉でよく働くので、 「衣食足りて礼節を知る」と言う事です。 三多とは 『石が多く、女が多く、風が多い』 と言うことだそうです。 石が多いのは漢拏山が火山なので、有史以前から噴火のたびに軽石のような穴だらけ火山岩を吹き飛ばし、その為に島中が石だらけです。 邪魔になるその石は、家の周りに石垣を築いて風除けにしたり、民家の藁屋根に丈夫な綱で編んだネットを被せ、その上に石を載せたり、ぶら下げたりして、風で藁屋根が飛ぶのを防いでいました。 こんなに石が多いのに、漬物の重石に使う石は全然ありません。 皆、軽石ばかりなので、漬物石だけは他所から持って来なければならないのです。 統計的には、特別に女が多いと言うことは無いらしいけれど、島の女の人は働き者で、外でよく見かけるので目立つようです。 男の人達は家の中で何をしているのでしょうか? 三無とは、「泥棒が居ない、乞食も居ない、どの家にも門構えがない」 と言うことだそうです。 皆関連があるけれど、そう言えば門柱はあっても門扉は無かったように思います。 泥棒と乞食が居ないのは、三宝と関係が有るようです。 |